ひとり情シスで日々業務改善フォローをしています。しなくらです。
先日ある部署で創業時から努めていたベテラン社員が退職しました。
理由は多く聞いていませんが、自主退社をしています。
と、同じタイミングで私は専務に呼び出され、業務依頼を受けました。
「退職した社員の所属部署の業務改善、組織変革を手伝ってほしい」
退職した社員は創業時から、個人の裁量に任されておりこれまで部署内の売上を立てていました。
昨今、弊社は事業拡大などから中途採用、未経験の新入社員を採用することが増え、新人育成、評価制度などの管理業務も増えてきました。
昇進や管理者を目指さないタイプだったため、ここ数年は上司から指摘を受けないよう個人売上を伸ばし、管理業務をどうにか逃げていました。
しかしそれでは組織としてのナレッジが蓄積されず、社員間のスキル差により、業務負担も増え、なにより部署売上が維持できなくなりました。
専務は何度となくミーティングを行いましたが、管理業務の拒否を伝え、会社の方針と合わなくなってきたということから自主退職を申し出たそうです。
「そんな人もいるんだなぁ」と専務の話を聞いていたところ
「今後はチームとして業績を伸ばせる仕組みづくりを考えてほしい」と依頼がありました。
チームとして業績を伸ばせる仕組みづくりを考えてほしい
弊社の専務は「ビジネスは素人」と自称しています。
しかし、組織に対する考え方は一流と同じ発言をし、社員の発言をうまく吸収しながら、ここというベストなタイミングで変革を進めてきました。
この専務がいるから私も情シスを頑張ってこれました。
そして3回目となる THE TEAM 5つの法則 を再度読み返すことにしました。
- Aim(目標設定)
- Boarding(人員選定)
- Communication(意思疎通)
- Decision(意思決定)
- Engagement(共感創造)
5つの法則と言っても、これらの言葉の意味だけでチームづくりはできません。
弊社の環境に最も重要と思う3つの法則について考察してみました。
Aim(目標設定) なくしてチームは作れない
創業から個人の裁量に任せていたので、「売上を伸ばす」ということだけは最終的な目標にあります。
本書では個人の目標ではなく「チームの目標設定」がないとチーム作りは始まらないとあります。
当たり前といえばそうですが、業務の仕組みを見直そうとしたとき、そのチームの目標、ゴールはなにか、情シスとして忘れがちです。
5つの法則は、チーム作りの5つのステップとも言えるのです。
Bording(人員選定) で巻き込み型のチーム作りを戦略する
弊社は中小企業なので社員採用は、創業時より社長と専務が担当しています。
同じ仕事をすすめる上で「社員は家族」と経営談話では耳にしますが、弊社専務はそのまま家族として見てくれます。
特にコロナ禍では、勤務時間の短縮、可能な業務はリモート対応、子をもつ社員には臨時体制期間の延長をするなど、社員の安全、働きやすさを重視します。
そのため社員の性格や得意な分野なども把握しており、チーム作りをすすめる上でキーマンはこの人!と決めました。
弊社はリーダーをたてない社風なので、人員選定を重要視している点が、本書により正しかった、と自身が持てました。
Decision(意思決定) の積み上げでスキルに自身が持てるチームにする
数字による業績目標はたてない、と弊社専務は公言しているので、どのように評価していくかが課題にありました。
本部署では「結果よりもプロセス」を求められるので、仕組みづくりではプロセスがチーム内で公開・共有される状況が必要です。
社員による意思決定が積み上がることで、チーム業績が上がる仕組みづくりを考えていたので、本書の事例はとてもイメージがしやすかったです。
※特にスポーツに置き換えて説明されたチームプロジェクトの進め方はわかりやすく例えられています。
まとめ
チーム作りの成功は継続しないと判断できません。
どのパターンに当てはまるか実践してみて、うまく行かない場合でも、違うパターンを試してみよう、と思えるほど事例も多い内容でした。
チームをまとめる、なんて気はありません。
リーダーを目指したくもありません。
個と個をつなぐ「チームワーク」
(本文「はじめに」より)
これからの組織に求められるチーム作りの参考書にしたいと思います。